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息子に気づいてほしい

「ほかの受験生がたくさん下痢にでもなったら、受かるかも」
「当たってくだけてきますよ」
 最近の息子の言葉。息子が受ける都立は、難関中の難関。しかも、内申がよくない(実技科目はオール3)こともあり、当日の試験で500点満点中450点くらい取らないと合格しそうにない、という判定。
 塾で毎日のようにやっている、志望校の過去問の得点は、ここのところまるでそこまで届いていない。社会と国語が苦手なまま。

 そんな状態だから、口を開けばネガティブな言葉が出てくる。もしもダメだったときに「だから、最初から無理って言ったんだよ」と言えるようにしてるのかしら、とも思えます。

 じゃあ、もう少しレベルと下げて、どこの都立なら受けたいの? というと、「ほかに適当な学校はない」具体的に、心当たりの都立をあげてみても、
 「合わない」
 「遠い」
 「そこまで落とさなくてもいいでしょう」
 ああいえばこういう状態。思春期にこれといった反抗期のなかった息子の、遅れてきた「受験反抗期」か。
 
 仕事の参考にと図書館で借りた「コーチング」の本に書いてあったこと。
「相手に認められたいという気持ちと、認めたいという気持ちの割合はどのくらいですか」とコーチングする相手(その本では、企業の役員へのコーチング事例を紹介していた)に聞くと、平均で「7(認められたい)対3(認めたい)」くらいの比率になる。
 人は、相手を認める分、自分の「認められ度」が減るように思うところがあるから、まずは「認めてもらう」ことを優先しがちなのだ。でも、想像してみてほしい、と本に書いてある。自分の持てる力を100%使って相手を認めてみよう。認められるをゼロにして、認めるを10割にしてみたら、その関係がどうなるか。あなたが相手を見る視線がどうなるか。まわりがあなたを見る視線がどうなるか。
 
 持てる力を全部使って、相手(息子)を認める。今さらだけど、やってみよう。
 受験態勢になってから何度目かの休塾日。ベッドで塾の課題の問題集を広げて「寝ている」息子。寝入っているわけでない証拠に、私と夫がいる一階から階段を上がる音がすると起き上がって私を見る(息子の部屋はドアがないので、階段を上がるだけで顔が見える)。そのときに、
「何やってるの!」と言いたいのをこらえて、「こんにちは」と言ってみた。息子も「こんにちは」。これじゃあ、認めるというよりは、叱らない程度かな。

 朝日新聞(1月11日)の野村監督のインタビュー記事が、胸にしみた。野球選手は、体調やスランプによって迷いも出るし、結果が悪い日もある。それを、表にあらわれたものだけで、叱ったりほめたり、方針を変えるのはよくない。相手を見極めて、自信を持たせて、本人に気づかせる。監督は「気づかせ屋」なのだと。野村監督の息子も奥さんも「気づいてない」ように見えるけど、それは置いておいて。
 またもや今さら、「気づかせ屋」になろうと思った。気分は、監督。別に私の采配で勝負が決まるわけじゃないけど、息子に気づかせたい。
 あなたが一所懸命やっていることは、お父さんもお母さんもわかってるし、結果がどうあれちゃんと認めてることを。だから、もっと「自信」を持っていいんだと。でもどうしたら、気づいてくれるんだろう。

★今回の(自分に言い聞かせたい)教訓 
目に見えるものだけ見て、焦るのはやめよう!

 
# by gokoukou | 2009-01-15 13:38

メンタル面で親にできることは?

 息子の行っている塾は、中央線沿線にいつくか教室のある地元の中堅塾。名前を聞いてピンとくるような大手チェーンの塾でなく、あえてこの塾を選んだのは、チラシに載っている進学実績が、「難関私立」より「難関都立」を大きく扱っていたところにピンときたから。大手だと、早慶、開成高校の実績がバーンと大きく出ているものですが、ここは西校、国立、八王子東という、このあたりの都立としてレベルの高い高校への進学実績が、まず第一に紹介されていたところがエコノミーな感じがしたのでした。
 そもそも、塾に行かせようと思ったのは、中2の一学期の成績が3と2だけだったから。「まずは、中の下から中の上へ」という思いだったので、早慶や開成と言われても、高嶺の花過ぎてピンときません。入会金(入塾金?)がなく、受講料もリーズナブルに感じました。
 渋る息子を「一回行ってみてイヤだったら通わなくていいから」と、体験講習に行かせたら息子が気に入り、それからずっとお世話になっています。

 そこのS先生(30代半ば)を、息子はいたく尊敬していて、「あの先生ほど授業がおもしろくて、頭のいい先生はいない」とべたほめ。私も尊敬しています。

 12月はじめに、「ほんとうに第一志望はこの学校でいいのか」心配になって、夜遅く夫婦で相談に行ったときも、S先生の言葉に救われました。
 その頃、塾でやった志望校の過去問(※1)の結果もちょうど出ていて、しかもそこで計算に加えられる「換算内申点」が実は4点も高く勘違いされていることがわかっても、S先生は、少しもあわてないところが「プロだなあ」と思いました。

 息子の弱点を、あと2カ月足らずでどう克服するか、そのための具体的なスケジュールと対策を、論理的に説明してくれました。
 塾もビジネス。保護者を安心させるのも仕事のうち。かといって、安心させておいて、結果が不合格では評判を落とすのも事実なので、S先生の言ったことは全部でないにしても7割方は合っているのだと、いまは把握しています。
 
 S先生によれば、不合格になる生徒は、1月から2月にかけて「モチベーションが落ちる」ことが多いとのこと。これまでずっと突っ走ってきて、「疲れ」が出る。そして、「こんなにガンバって、ほんとうに合格するのだろうか」とか「なんでこんなに勉強しなくちゃいけないんだろう」と思ってしまうことが往々にしてあるそうです。
 都立は、受験直前に、一度出した願書を引っ込めて、別の学校に出せるチャンスが一度だけある(※2)ので、そのときに「レベルを下げて安全な学校を受ける」こともできるのです。そうはいっても、受験は一回勝負なので、安全な学校にしたつもりでも、「落ちるときには落ちる」わけで。S先生は、自信がなくなって希望校のランクを落とすのは、いろいろな意味で危険だと言います。
 
 息子にもしも、そんな「疲れ」が見えたら「すぐにお知らせします」とも言ってました。
「メンタル面で、親にできることってあるんでしょうか」と聞いたら、
「この学校に受からないとダメ、という空気にしないこと、ですね。極端ですけど、落ちてもいい、くらいに構えていたほうがいいです。それでなくても子どもは十分にプレッシャーを感じてるものです」
 そうですよね。つい、ダメだったらどうしよう? 志望校のランクを落としたほうがいいだろうか? と迷ってしまいますが、もっと不安なのはカレのほうですよね。
 リビングの床で、問題集を開いたまま寝入っている息子をみると、「私は昔、こんなに勉強してないよな」と思います。そうはいっても、こんなに勉強する時期が少しくらいあったっていいんじゃないの、若いんだし、とも思います。
 私はせいぜい、プレッシャーだけ与えないように、ウケないギャグをいい続けようと思います。
 
今回の(誰かが言っていた)教訓
受験に失敗はない、あるのは、成功と「学び」である。

※ 1 都立、私立どちらも、学校ごと、または数校分まとめて、過去数年分の受験問題が収録されている「過去問題集」のこと。一冊2000円くらい。ウチには、書店で買った大学付属の私立校と都立高校が数校分まとめて載っている過去問と、友だちの子どものお下がりの「西高校過去問」の計3冊があります。が、塾でいま、毎日のように過去問をやっているので、家にある過去問はほとんど手つかずのまま…。

※2 受験直前に一度ある「願書取り下げ、再提出」のシステム。志望校の「競争倍率」が発表されるのを見て「変更」することもあると聞きます。未曾有(ほとんど流行語ですね)の不景気のいま、公立高の倍率はどこも高くなるでしょうが、息子が狙う「難関都立」はどうか。かえって倍率が下がるのか、下がったとしても「自信のある生徒」しか受けないために、「より狭き門」になるのか。想像するとキリがないので、倍率に左右されるのはよそうと、いまは思っています。
# by gokoukou | 2009-01-08 21:22

冬季講習と正月特訓中


息子はただいま冬季講習の真っ最中です。冬休みに入ってから休みは、12月30日と1月3日の二日だけ。大晦日から2日までの三日間は、さらにスペシャルな「正月特訓」で、八王子にある教室で「缶詰め」になっていました。朝8時にいつも行っている塾の前に待ち合わせをして、そこから専用バスで一時間かけて八王子へ。そこには、沿線の塾の教室の生徒が計200人集まって、進度別、希望校別のクラスに別れて、午前中はテスト、午後は解説の授業をします。
 
 ちなみに、この冬季講習、正月特訓も入れて約2週間で1人約10万円。それが200人です。塾ってもうかりますねえ。毎年、お正月は休めないですけど。

 なぜわざわざ八王子まで行く必要があるのか。違う教室から来ている知らない生徒といっしょにテストを受ける緊張感。さらに、希望校がだいたい同じ、いわば「ライバル」と机を並べることで、上には上(下には下)がいることを認識するためだと、私は思います。
 いつもの塾では、上の方だと思っている息子も、初日から上には上がいることを実感して、帰宅してからの顔が暗い、暗い。「数学、俺は70点台なのに、95点の子がいたよ」その日は落ち込んでいたものの、翌日は挽回して、とたんに表情が明るくなりました。

 昨日は久しぶりのオフ。朝11時まで(それまで何回も声はかけましたが)寝て、ご飯を食べて、午後はだらーんと過ごし(気がつくとベッドに横になっている)、夕方から塾の宿題(講習中も宿題は出る)を少しやり、夜遅くまで断続的にゲームと勉強。寝たのは12時ころ。

 今日は、特訓から「冬季講習」に戻り、いつもの教室で9時から講習です。「今日もがんばるよ」と言って出かけていきます。夕方帰ると、しばらく妹とふざけて、ご飯を食べて、テレビを見て、思い出したように塾の宿題をやり、途中でなし崩しに着のみ着のままの状態で寝る、という日々。「明日は6時半に起こして」と言っても、その時間に起きたためしはなく、またギリギリに起きて、あわてて出かける。それが、カレのここのところの青春。学校の宿題もあるのに、いつやるんだあ、という感じです。

 それに合わせて、私は「お弁当と朝ご飯(おかずは、ほぼいっしょ)」を作るのが、受験生の親として唯一のプレッシャー。とはいえ、冷凍食品のバラエティーも増えて、お弁当や朝ごはんの「手抜き」ができる時代になったのに対し、「受験」は昔よりずっと複雑に、勉強もきめ細かくやらないといけない時代になっているのです。

今回の教訓
受験生は、ほおっておくと、いくらでも寝る。
# by gokoukou | 2009-01-04 16:06

大学付属の私立校見学

 三鷹市にある私立高校の学校見学に、親子で行ってきました。今さらですが。「すべり止め」の私立より、偏差値が上の大学付属。入試の日にはじめて行くのでは不安です。
 駅を降りると小さな商店街があり、マクドナルドもドトールもスタバもありません。鳥の声がうるさいほど聞こえる住宅地を歩くこと15分で、高級マンションのような新築の学校が見えてきます。
 土曜日の午後なので、入口の守衛室で願書を買います。500円。名前を書くノートには、埼玉県から来ている保護者の名前がいくつかありました。埼玉県から通うとなると、たとえば、埼京線で渋谷に出て、そこから私鉄に乗り換えても1時間以上かかるでしょう。

 学校見学と言っても、その日は校舎内には入れないとのことで、玄関を抜けて、中庭を通り、裏門までの5分もかからないコース。
「これで終わり?」
 と息子が驚いてました。私も内心「これだけかよ!」という感じ。埼玉県から来た(おそらく親子で)人たちも、これだけ見て帰ったのでしょうか。なんだか小ばかにされた気分。

 一部が芝生になっている中庭では、野球部がダッシュの練習をしていて、そのユニフォームが真っ白なところが、おぼっちゃん的な空気を醸し出しています。そこから見える教室で吹奏楽クラブの生徒が練習中。向こうに見えるグランドにはラグビー部がいて、校舎には「祝ゴルフ部全国大会出場」のたれ幕。玄関のショーケースに並んでいる制服のマネキン。ここは制服のセンスがいいのです。こういうの着たら、まさに「馬子にも衣装」。うちの息子でもそれなりにおぼっちゃんに見えるでしょう。

 帰り道。もしも都立がダメだったとき、すべり止めの私立とこっちとどっちに入りたい? と聞いたら、「うーん。すべり止めのほう」
 ここには卓球部がないからというのも理由のひとつだけど、なんとなくカレの気持ちはわかります。高級マンションのような建物といい、数人見かけた生徒といい、カレから見ると「住む世界がちがう」という感じがするのでしょう。
 門を一歩入ったときから感じる、明るくて、清潔で、お金のかかった私立の雰囲気。それを当たり前に感じるか、ちょっと違うなあと感じるかの違いはあるかもしれません。いまは違和感を感じる息子も、入ってしまえば(慣れてしまえば)どうってことないのかもしれませんが。

 そもそも、住む世界がちがって何でも、いろんな人が、同じ試験受けて集まるところ、それが「高校」なんだよ。

★高校受験の教訓  私立は、イメージが命
# by gokoukou | 2008-12-23 13:25

受験生のための「傾聴とヨガ」

忘れもしない10月の終わり。学校に行ったときに、たまたま美術の先生に挨拶をしたときに発覚した、「美術の提出物2カ月遅れ事件」。
「出しなさいよと言うと、はい、と素直に言うんですけどねえ」
 そういえば、なんか美術の宿題っぽいセットが机にあったなあ。「これは何?」と聞いたら「それはいいんだよ」って言ってたなあ…。
 問い詰めると、「だって、何を描いたらいいかわからないんだもん」
 「とにかく、なんでもいいから描いて出せ」と言ったのはいうまでもありません。発覚から2、3日後にやっと提出。出来栄えは、遅れて申しわけありませんという反省がまったく感じられない「手抜き」。

 という話を、「傾聴=カウンセリングのようなもので、相手の話をよく聴くことを通して、相手の悩みや課題に寄り添うコミュニケーション術」のプロでもあるIさん(二十代の息子を持つお母さん)に言って相談にのってもらったのです。
「宿題を出さないと、自分が不利になるのは(息子は)言われなくてもわかっていることだよね。それでもやらないのは、理由があるから。だから、何でもいいから出せって言いたいのはわかるけど、まずその理由をわかろうとするのが大事」
 でも、「なぜ出さないの?」と聞いても論理的な答えが返ってくるわけじゃないし。
「中学生だし、まだ自分の思いをうまく言えないし、言えないことでよけいにイライラしたりするけど、理由の内容はともかく、理由があるってことをわかってあげるだけでもいいと思う」
 
 Iさんの息子さんも、大学生時代に「スノーボード」に夢中になり、外国に留学してスノボのプロになると言い出したことがあったそうです。そのときのIさんの答えは、
「いいかもね。でも、どのくらい留学の費用がかかるか、具体的に見積書を出してみてくれる? それを見て考えるから」
 お金の計算をはじめた息子さんは、費用に対して「見返り」が期待できないことに気づいて、自分からやめると言い出したそうです。
 まず、子どもの考えを認める(フリをするのでもいい)。それから、論理的、建設的な意見を言う。決して批判はしない。ああ、こんな親に育てられたいと私も思います。
 以前、息子が嘘をついてるんじゃないかと疑ったときにも、Iさんに「実際、嘘をついてるかもしれないけど、それでも、疑ってるということが子どもにわからないようにしないとダメよ。だけど、子どもは嘘をつくものでしょ」と言われて、すごーく気が楽になりました。

 もうひとつ、受験生の「イライラ」におすすめは、ヨガ。とはいっても、一緒にヨガやろう、と言っても素直にやるわけじゃないので。私が習っている先生は、大学生の息子が高校受験のときに、ときどき「マッサージ」をしてあげたそうです。遅くまで塾でがんばっている息子に、ヨガの先生直伝の「受験生マッサージ」をしてやりました。
● 目のまわりのツボを押す(顔にタオルをのせてやると良いです)。
● 横向きに寝かせて、上になった肩を揉んだり、上のほうの腕を後ろへ伸ばして胸を広げるようにする(勉強していると、前かがみになるので、胸を広げるストレッチは肩凝り解消にも効くのです)。
● 足の指を一本ずつ回したり、引っ張ったりする。とくに親指は目と頭に通じているので、上に引っ張るようにして離す、というのを繰り返すと「脳」の疲れにも良い。

 先生いわく、「ふだん、スキンシップしないような息子でも、気持ちいいから素直にさわらせるし、子どものマッサージをやってやることでこっちもエネルギーをもらえるのよ」
 私は先生じゃないので、マッサージするのは上手じゃありません。でも、息子も、「痛い」とか「くすぐったい」とか言いながらも、素直にさわらせてました。何年もさわってない背中とか、腰を「マッサージ」してやると、「こいつも成長したなあ」としみじみします。そして、こんなふうに「さわれる」のは、今を逃したらたぶんないのです。マッサージでなくても、「さする」だけでもいいそうです。「手当て」というくらい、誰かにさわってもらうのは「落ち着く」し、それが親ならなおさら子どもは癒されるみたいです。
 もうひとつ、脳の疲れに効く「ヨガ」は、逆立ち。頭のてっぺんをつけた三点倒立なら、壁に足をつければ大人でもそれほどむずかしくありません。脳のうっ血が解消されて、血液循環がよくなり、頭がすっきりします。けっこう(痛いけれど)気持ちよく、腰の疲れにも効くし、親にも子にもおすすめです。今夜あたり、親子で逆立ちしてみませんか。
# by gokoukou | 2008-12-16 11:54



息子の高校受験まであと三カ月、こんなに泥縄で無事に来春、私は高校生のハハになれるのだろうか。
by gokoukou